久米仙酒造を継ぐ10人の蔵人-久米仙酒造の未来を見据える蔵人

いつも久米仙酒造をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

「伝統を大切にしながら泡盛の新しい可能性を求めて一歩進んだ酒づくり」をモットーに、業界の常識に捉われず「沖縄から世界へ」新しい挑戦を繰り広げる久米仙酒造。そんな久米仙酒造を紡ぐ10人の蔵人にスポットを当て、彼らの想いやこだわりを紹介していきます。

久米仙酒造の蔵人シリーズもいよいよ、第9回目。今回は、久米仙酒造の未来を見据える蔵人 比嘉洋一さんをご紹介。入社後すぐのモンゴルでの挑戦や泡盛製造の経験を経て、現在、代表取締役として久米仙酒造を牽引する比嘉さん。泡盛やウイスキーなどお酒の魅力を広めるための努力や情熱について取材しました。

これまでの歩みについて

―久米仙酒造に入社してから現在に至るまでの経緯を教えてください。

1994年に新卒で久米仙酒造に入社し、今年で31年目を迎えます。大学院を卒業したその年の12月、工場立ち上げのためモンゴルに赴任しました。入社からわずか数ヶ月で海外赴任となり驚きもありましたが、期待に応えようと必死で取り組みました。

モンゴルでは、現地スタッフと協力して泡盛『響天』を製造しました。現地スタッフとのやりとりは主に中国語でした。仲間との会話におけるやりとりは自分の言葉で伝えたかったので、独学で中国語を習得しました。約10年間、モンゴルと日本を行き来しながら経験を積んで、泡盛造りだけでなく異文化理解やものづくりの喜びを学ぶことができました。

久米仙酒造の社長に就任して以降は、伝統を守りながら革新を追求する商品開発を行い、泡盛の魅力を国内外に広めることを使命と感じています。

仕事への想い

―日々大切にしていることや従業員とのコミュニケーションについて教えてください。

経営者として大切にしているのは「品質第一」です。お客様に満足していただける商品造りを目指し、会社全体の改善を進め、その成果を従業員にも還元することを大切にしています。私は久米仙酒造の歴史の中で、初めて従業員から社長になりました。そのため、従業員とのコミュニケーションではフランクに話しやすい雰囲気づくりを心がけています。社内に圧迫感のない環境を作ることがチーム全体のパフォーマンスに繋がると考えています。

―日々の中でやりがいを感じる瞬間はどのような時でしょうか?

お客様に喜んでいただける商品を届けられた時の達成感は格別です。ECサイトや店舗での口コミ、産業祭りで直接いただくお客様の声など、リアルな反応を感じられる瞬間は、やりがいを大いに感じます。

久米仙酒造のビジョン

―業界の変化についてどう考えていますか?

泡盛を造り続けるためには、若い世代に向けた積極的な情報発信が必要だと感じています。泡盛のほかにもウイスキーやリキュールなど多様な商品を展開することで、新たな需要を取り込みたいと考えています。時代のニーズに応じたお酒造りを行いつつ、泡盛の伝統を未来へと受け継いでいきたいです。

―今後挑戦したいことや改善したいことは?

店舗展開やイベントを通じて、お客様に直接お酒の魅力を伝えられる場をさらに増やしていきたいです。また、人材教育や採用にも力をいれ、より良い商品づくりとサービス向上を目指していきます。

―ありがとうございました。

2025年1月6日には、沖縄県外初の直営店舗「OKINAWA BLUE 新橋店」をオープンしました。これをきっかけに全国展開に向けた一歩を踏み出した久米仙酒造は、新たな転換期を迎えつつあります。これからも伝統と革新を大切にしながら、皆様に愛される酒造りを続けてまいります。応援をどうぞよろしくお願いいたします。