はじめて亜熱帯熟成のライスウイスキーを扱う松山謙さんの挑戦

いつも久米仙酒造をご愛顧いただき、ありがとうございます。
いよいよ今週の金曜日お昼12時に予約販売を開始する「Ken’s Choice NATURE」

イチローズモルトで有名な秩父蒸溜所をはじめ、
メーカーズマークやコーヴァル、バッファロートレースなど国内外問わずコラボしてきたバーボン
ウイスキーのパイオニア・松山謙(まつやま けん)さんですが、
亜熱帯気候のウイスキー、お米を原料とするライスウイスキーを扱うのは今回が初。

だからこそ今回の「Ken’s Choice NATURE」を発売するにあたり、
大変だったのも亜熱帯気候下での熟成具合とライスウイスキーのブレンド比率でした。

まず沖縄が属する亜熱帯気候では気温が高い分、
樽で熟成させると通常よりも多い量のお酒が蒸発していきます。
(「エンジェルシェア(天使の分け前)」と言います。)

ただ、お酒の減りが早い分、味わいが濃縮されて
スコットランドのような寒冷地のウイスキーと比べて
3倍ほど早く熟成が進むと言われています。

亜熱帯熟成に加え、
今回使用したアメリカンホワイトオーク新樽での熟成も季節や温度によって、
熟成の進み具合を細かくチェックしなければいけません。

だからこそ、
こまめなテイスティングを行い、
その時の熟成度合いとこれからどんな風に熟成していくのか?
ご自身の経験値と想像力との戦いだったと謙さんは語りました。

さらに日本国内でウイスキーとして発売するためには、税法上、原酒の割合で10%以上の麦芽か
ら造られたモルトウイスキーをブレンドする必要があります。
そのモルトウイスキーとライスウイスキーのブレンド比率を計算して、
バランスを考えるのが謙さんにとって初めての試みだったので何度も試行覚悟を重ねました。

いざ熟成させて、
「これでボトリングしよう!」と思った時には、
逆にこれ以上熟成させないようにすぐに樽から出してボトルに詰めました。

40年以上ウイスキーと向き合い続けてきた松山謙さんと
70年以上の泡盛造りで培ってきた久米仙酒造の確かな技術が合わさってできたライスウイスキー
「Ken’s Choice NATURE」です。

次回は、味わいについて。
お楽しみください。