久米仙酒造を継ぐ10人の蔵人-想いを包む職人

いつも久米仙酒造をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

「伝統を大切にしながら泡盛の新しい可能性を求めて一歩進んだ酒づくり」をモットーに、業界の常識に捉われず「沖縄から世界へ」新しい挑戦を繰り広げる久米仙酒造。そんな久米仙酒造を紡ぐ10人の蔵人にスポットを当て、彼らの想いやこだわりを紹介していきます。

第5回目となる今回は、出荷業務を担う上原若菜(うえはらわかな)さんをご紹介。

毎日の晩酌を欠かさないほどお酒が好きだという上原さん。友人や仕事仲間と過ごす時間には、必ずお酒がそばにあると語ります。

前回ご紹介した仲本さんは上原さんについて、「出荷担当は若菜さん1人だけ。毎日1人で大量の出荷をこなしているのは本当にすごいです。」とのこと。商品の出荷を通してお客様とのつながりを支える上原さんに、仕事への想いや日々の業務についてお話を伺いました。

経歴とこれまでの歩み

―久米仙酒造に入社するまでの経緯を教えてください。

以前はアパレル関係の仕事をしていて、那覇市のショッピングモール内で働いていたんです。子どもが生まれてしばらくは育児に専念していました。久米仙酒造に入社したのは8年前で、入社当初は子どもが小さかったこともありパート勤務でした。子育てが落ち着いてきたタイミングで、去年から正社員になりました。

―仕事で県外に住んだご経験もあると聞きました。どのようなことをされていたのですか?

学校を卒業してすぐくらいの年で県外に行って、旅館の仲居として働きました。地元沖縄とはまったく違う県外での生活は、とても楽しかったことを覚えています。今思えば、これまでの仕事は主に接客業でしたね。現在の出荷業務において、お客様と直接お話しをすることはめったにありませんが、これまでに経験してきたことを今の仕事に活かせているのかなと感じます。

―これまでたくさんの商品を出荷してきた中で、特に印象に残っている出来事はありますか?
印象深いのは、除菌用アルコールですね。新型コロナウイルスが流行した2020年は、いろんなところで除菌用アルコールが不足しました。そこで、久米仙酒造は自社の泡盛を活用して除菌用アルコールを製造しました。発売当時は電話やネットで注文が殺到し、毎日大量の梱包と出荷作業に追われました。多忙な日々でしたが、除菌用アルコールがなくて困っているお客様のもとへすぐに商品をお届けしたい一心で、出荷を続けました。あのときは、社会に貢献できたんじゃないかなと自負しています。

日々の業務とこだわり

―出荷作業といっても、出荷するまでの手順はたくさんありますよね。上原さんの1日のスケジュールを簡単に教えていただけますか?
朝出勤したら、オンラインからの注文件数を確認して、注文の確認メールを手動で送信します。そのあと、荷物に貼り付ける送り状を作成し、商品と受注表を照らし合わせながら梱包作業を進めていきます。

―日々の業務で特に大切にしていることは?

発送ミスを防ぐため、確認作業を何度も繰り返しています。また、化粧箱がない商品の場合は緩衝材を使用し、段ボール内で商品が動かないよう固定しています。お客様が安心して商品を受け取れるよう、梱包の丁寧さを心がけています。「早く届いた」「梱包が丁寧でよかった」など、感謝の声をいただくと本当に嬉しく思います。お客様の満足が、自分の仕事へのモチベーションにつながっています。

―今後改善したい点や挑戦してみたいことはありますか?

より迅速な対応を目指し、注文当日に発送を完了できる体制を整えたいと考えています。また、物産展などのイベントに積極的に参加し、直接お客様の声を聞くことで、さらなるサービス改善につなげたいと思っています。

―仕事を続ける上で、原動力となっていることは何でしょうか?

日々新しいことを学びながら成長できる環境があることです。特に包装作業が好きで、初めはうまくできず苦労しましたが、先輩から「慣れると楽しいよ」と声をかけてもらったことが大きな励みになりました。今ではその言葉通り、作業の中に楽しさを見つけながら取り組んでいます。チームの仲間と協力し合うことや、お客様からいただく「ありがとう」の言葉も大きな力になっていますね。その一言が、日々の頑張りをさらに後押ししてくれる原動力です。

―さいごに、久米仙酒造で特に好きなお酒は何ですか?

最近は、サワーや泡盛珈琲など手軽に楽しめる飲みやすい商品を愛飲しています。スイスイ飲んじゃうから、飲みすぎないように気をつけています(笑)

―本日はどうもありがとうございました。

次回はお酒の魅力を広げるECの蔵人 古藤潤さんです。


上原さんによると古藤さんは「誠実」という言葉がぴったりとのこと。

一体どのようなこだわりを持ってお仕事に取り組んでいるのか。

ぜひご期待ください!