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いつも久米仙酒造をご愛顧いただき、ありがとうございます。
『泡盛ガチャ石垣島編』にご協力いただいている酒造所の方々はどんな造り手なのか?
お酒の味わいや特徴などを取材しましたので、その内容をご紹介していきます!
今回の酒造所は『玉那覇酒造所』
石垣島で最も長い歴史のある酒造所です。
先日ご紹介した池原酒造さんとご近所さんで
(池原酒造さんの紹介記事はコチラ)
市街地の中にある酒造所です。
玉那覇酒造は、明治末期に沖縄本島から石垣島に引っ越してきて創業された酒造所です。
現在の社長は4代目の玉那覇有一郎さん。
玉那覇酒造には「家族·親戚みんなで繋いできた」歴史があります。
というのも…2代目が若い頃に亡くなって、事業断絶の危機が発生したこともあったそうですが、
その間は親戚でお酒づくりをして、繋いできたそうです。
またその時期は、現社長のお祖母さんが「絶対につぶさない」と、
子ども6人を抱えて、営業に回っていたそうです。
さすが110年もの歴史があると、
その中にはこういった壮絶なエピソードがたくさん眠っているものですね。
石垣島で最も長い歴史の中で、
現社長である玉那覇有一郎さんは「つくりを変えない」ことを大切にしてきたそうです。
お米を炊くための回転ドラムや、
麹をつけるための三角棚、昔ながらの地釜蒸留機と合わせて運用している横型蒸留機など、
新しい設備を取り入れながらも「昔ながらのつくりを変えない」ためには
様々な試行錯誤があったかと思いますが、
社長の有一郎さんはこともなげに「昔のまま何も変えていない」と話します。
玉那覇酒造のお酒の特徴は
「ほんのり甘く、クセがない」味わい。
見方によって「うすい」と言う人もいるけど、
「初めて泡盛を飲む人にとっておいしくて入りやすい」と、
居酒屋さんからは紹介しやすいお酒として評価されている、とのことでした。
シンプルなつくりによって地元に愛されるお酒づくりに
日々ひたむきに向き合っているんだろうな、と感じました。
これからの展望について尋ねると
「コロナで状況が見えないけど、ここまで続いてきた酒造所だからどうしたら長く生き延びられるかを考えている」と語っていました。
「地元石垣で愛されるお酒であればいいから」と。
実際、取材の最中にもお客様がいらして
「これすごくおいしい。これを調達するために石垣本島まで来てるんだ」と、
竹富島で居酒屋を経営されている方が来店し、古酒を1ケース買っていかれました。
玉那覇酒造のお酒は、
昔ながらの直火地釜(じかびじがま)蒸留によってつくったお酒と、
横型蒸留でつくったお酒をブレンドした酒質。
しっかりとした旨みが感じられながら、
香ばしさやフワッと広がるさわやかなお米の甘みがファンの心を掴んでいるようでした。
今回、玉那覇酒造所さんに出品いただいた泡盛は
『玉の露』30度
ボトルを開けた瞬間からさわやかにフワッと広がる
やさしく甘い香り。
やわらかな口当たりと、お米の甘み
さらに心地よいビター感が口の中に広がります。
最後に香ばしい香りが鼻から抜けてとてもおいしく飲みやすいです。
居酒屋店長が「泡盛が初めてのお客様にも勧めやすい」というのもわかる味わい。
沖縄料理はもちろん、肉にも魚にも合いそうで、
お酒メインではなく、食事と合わせることで料理のおいしさも引き立ててくれる
そんな味わいのお酒です。
いかがだったでしょうか?
石垣島を含めた八重山地方最古の酒造所にはやはり歴史と家族の絆があるんだろうな、
と感じるお話をたくさん聞けました。